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「働くことは命」生きる力と仕事の喜び。田中イツミさん85歳

ばあちゃんプロフィール
田中 イツミ(タナカ イツミ)1940年6月7日生まれ。85歳(2025年取材時)。熊本県菊水町出身。中学卒業後、バス会社に勤務しバスガイドとして働く。のちに建築業界へ入り、当時は珍しい女性職人として独立。明るくお茶目で、何よりも“働くこと”を人生の軸にして生きてきた。

いつも明るく前向きに

田中イツミさん。「取材させていただけませんか?」と話しかけると。笑顔で「いいですよ!」と答えてくれました。イツミさんは、熊本県川添村の自然豊かな土地で育ちました。兄弟はなんと7人!多くの兄弟に囲まれて育つことは、当時では普通のことだったそうです。「昔はね、7人でも多いと思わなかったの。みんなそうだったからね。」中学を卒業すると、バス会社に就職。バスガイドとして観光客を案内する日々が始まりました。
「男の人は運転手になれたけど、女の人はダメだったのよ。」男女の仕事の線引きが今よりもはるかに厳しい時代。けれどイツミさんは、マイク片手に明るく働き続けました。「バス会社が合併して福岡に来たの。それが20歳くらいだったかな。」 記憶をたどるようにゆっくり話しながらも、「忘れるのはいいことですよ」と笑顔で言います。思い出も、苦労も、すべて前向きに捉えて生きてきた証のようでした。

正面 笑顔 ばあちゃん

建築業界へ。楽しさと誇りに満ちた日々

福岡に移住してから、バス会社を辞め、イツミさんはまったく異なる世界へ足を踏み入れました。建築の鉄筋工という、いわば「男の仕事」です。「女は素手でやれって言われたんですよ。手袋なんてダメだって。」当時、現場にいた女性は自分ひとり。誰もがすぐに辞めてしまいそうな環境ですが、彼女は笑いながら鉄筋を組み上げました。「全然辛くない。楽しかったのよ。」足場を登り、高いところから見下ろす景色。その爽快感が、とても気持ちよかったと今でも目を輝かせて教えてくれました。働き者のイツミさん。結婚するも、家庭に入らず、夫婦で鉄筋の会社を始めました。家庭に入ることが当たり前の時代。そんな中で、働くことを楽しみ、汗を流し続けました。しかし、7つ年下の夫が若くして亡くなってしまいます。それでも、イツミさんは1人で会社を続けていきました。

サングラス ばあちゃん


「怖くなんてない。やってみたら何でもできるんです。」 息子1人、娘4人を育てながら、鉄筋の仕事を続けたイツミさん。子育ても仕事も、どちらも手を抜きません。「誰でもできることよ」とさらりと言いますが、その言葉の裏には並々ならぬ強さがあります。当時としては珍しい、女性経営者の先駆けでもありました。

働くことは命

鉄筋会社を辞めたあとは、食堂も開いたと話します。「今もその場所を通ると嬉しいのよ」と目を細めます。自分の手で築いたものが、今も記憶に残っていることが何よりの誇りに思えます。そんなイツミさんの“働く”人生は今も続いています。現在は「ばあちゃん喫茶」で仲間と共に働いています。厨房で包丁を握る姿は、今も現役の職人そのもの。「昔から働くのは好きですか?」と尋ねると、「好きですよ!」と声を張り上げます。にんじんを切る手を止め、おしゃべりに夢中になってしまうお茶目な一面も見せてくれました。最近足を怪我し、手術を受けたばかりのようですが、「まだ働かないと」と前を向きます。

しゃもじ おたま ばあちゃん


「働くって何ですか?」と聞くと、「命。働かないと何もできないし、何も入ってこない。」 その一言に、85年間“動き続けてきた”重みが宿っています。「ずっと動いて、人と話すこと。黙ってたら弱っていくのよ。」 外に出て、誰とでも話して、たくさん働くことが大切と満面の笑み。イツミさんの笑顔は、動くことそのものがエネルギーになっているようでした。

あとがき

こんにちは!静岡から来ました、現在「うきはの宝」で、10日間の住み込みインターンをしているもーりーです。今回は、ばあちゃん喫茶・梅林店で元気に働く田中イツミさんにお話を伺いました。イツミさんは、まっすぐで、太陽のようなばあちゃんでした。

「働くって命なのよ」と語るその声には、人生を丸ごと生き抜いた人の強さと優しさがありました。男女の壁が今よりも高かった時代に、自ら建築の世界へ飛び込み、独立し、家族を育て上げる。その姿は、まさに“生きる力”そのものです。「なんとかなるさ」と笑いながらも、どんな困難も自分の足で歩いてきたイツミさん。働くことを通して、誰かと関わり、笑い合う時間を積み重ねてきたのだと思います。これから先、生きることに迷ったとき、イツミさんの言葉を思い出したい。「あまり考え過ぎてはダメ。なんとかなるさで生きないと」。その言葉は、今を生きる私たち若者へのエールなのだと感じました。

ばあちゃん喫茶

岡本絹子さんが働く「ばあちゃん喫茶」は、地域のばあちゃんたちが店員として働く喫茶店です。空き家や使われなくなった施設を活用し、認知症や介護を受けていても“役割があれば輝ける”を合言葉に、誰もが笑顔で過ごせる居場所をつくっています。福岡・熊本を中心に展開しており、曜日ごとに営業。家庭的なランチや温かい会話が楽しめる、まちの交流拠点です。
ばあちゃんたちの元気に会いに、ぜひ一度足を運んでみてください。ご予約は公式LINEからどうぞ。
👉 https://lin.ee/11l3onT

ばあちゃん喫茶
もーりー

静岡生まれ、静岡育ち。 大学3年次、1年の休学をして全国36都府県を巡る。山形県西川町では3ヶ月の地域おこし協力隊インターンを経験。 復学後、ご縁があり株式会社HONEにてインターン/マーケター見習いとして奮闘中。

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