ばあちゃんプロフィール
佐々木(ささき)さん 80歳(2025年取材時)
1944年10月生まれ。佐賀県唐津市出身。小学校まで佐賀で過ごしたのち、父の仕事の都合で福岡へ移り住む。看護婦として勤務し、結婚後は家庭に入り一人息子を育て上げる。性格は明るくおおらか。現在は「ばあちゃん喫茶」で働き、人との関わりを大切にしながら日々を楽しんでいる。
看護婦として生きた日々と、人とのつながり
佐賀で生まれ育った佐々木さん。両親のお仕事の都合で福岡に引っ越しました。高校卒業後、知人の紹介がきっかけで看護婦に。最初は不安もありましたが、いざ働き始めると「自分に合っていた」と感じたそうです。注射を打つことも多く、緊張の連続だったはずなのに、「好きとは言えないけれど、向いていたのよ」と笑います。看護という仕事を通じて、人に寄り添うことや相手の気持ちを思いやることを自然に学んでいったといいます。「職場の人間関係も本当に良かったのよ。院長も同僚もみんな優しかった。人間関係って大事ね。」そう穏やかに語る姿には、信頼や感謝の気持ちがにじんでいました。看護の仕事を続ける中で「辞めたい」と思ったことは一度もなかったそうです。家庭の事情で仕事を離れた後も、子育てが落ち着くと再び看護の現場へ戻りました。人との関わりを大切にするその姿勢は、今も変わりません。「どう感じるかは人それぞれ。でもね、合う人と出会えたら、それだけで幸せなの。」そう語る佐々木さんの言葉には、長い人生を通して培われた穏やかな強さがありました。

楽観的に、当たって砕けろの精神で
「人生はね、苦労はあまりなかったと思うの。楽しかったのよ。」そう微笑む佐々木さん。家族旅行が何よりの楽しみで、夫と相談して北海道から九州までを巡る旅をしたそうです。特に印象に残っているのは、秋の北海道。「バーっと広がる景色が最高だったの。あれは絶対行った方がいいよ」と、当時の情景を思い出しながら話してくれました。佐々木さんの口から繰り返し出てきた言葉は「クヨクヨしない」「当たって砕けろ」。「今の人たちは、あまり話さないでしょう?話した方がいいのよ。一つ話すとね、そこからいろんなことが学べるの。なんでも経験した方がいい。当たって砕けろ。それくらいの気持ちでいいのよ。」その言葉には、人生をしなやかに生き抜いてきた人ならではの軽やかさがあります。何事も深く考えすぎず、笑顔で受け止める。そんな姿勢が、彼女を自然体のまま輝かせているのかもしれません。「楽しくして、あまり考えないことよ。人によるけどね」と、最後に優しく笑いました。

ばあちゃん喫茶で再び、人とつながる
現在、佐々木さんが働く「ばあちゃん喫茶」は、地域の高齢者が店員として働く喫茶店です。空き家や使われなくなった施設を活用し、認知症や介護を受けていても“役割があれば輝ける”という理念のもと、誰もが笑顔で過ごせる場所づくりを行っています。福岡や熊本を中心に展開し、曜日ごとに営業。家庭的なランチと、温かい会話が地域の人々を惹きつけています。「ばあちゃん喫茶は、なんかいいなぁと思ってね。人との関わりが大切だって看護婦の頃から感じていたから、やってみたの。」新しい挑戦にも前向きな佐々木さん。喫茶でお客さんと話す時間が、今の楽しみだといいます。「人と話すことで、自分も元気をもらえるのよ。」人生のどの場面でも、彼女の中心にあるのは“人とのつながり”。その温かさが、喫茶の空気をさらにやわらかくしています。「ばあちゃん喫茶」では、そんな佐々木さんたちが笑顔で迎えてくれます。日替わりの家庭料理と、心のこもったおしゃべりを楽しみに、ぜひ一度足を運んでみてください。


あとがき
こんにちは、静岡から来ました。現在「うきはの宝」で10日間の住み込みインターンをしているもーりーです。今回は「ばあちゃん喫茶・梅林店」で出会った佐々木さんにお話を伺いました。取材を通して感じたのは、佐々木さんの“楽観的な強さ”でした。「当たって砕けろ」「クヨクヨしない」。一見軽やかなその言葉には、どんな出来事も前向きに受け止めてきた生き方が詰まっていました。「話した方がいい」「人と関わるのが大事」。その言葉は、SNSの時代にあって、どこか忘れられがちな人とのぬくもりを思い出させてくれます。話すことで広がる世界、出会う人から学ぶこと。佐々木さんのように、日々の小さな会話を大切にして生きたいと心から思いました。人生も広く、自由であっていい。そう思わせてくれる、明るくおおらかな80歳の笑顔でした。
ばあちゃん喫茶
ばあちゃんたちが笑顔で働く喫茶店、ばあちゃん喫茶。福岡・熊本を中心に展開しており、曜日ごとに営業。家庭的なランチや温かい会話が楽しめる、まちの交流拠点です。ばあちゃんたちの元気に会いに、ぜひ一度足を運んでみてください。ご予約は公式LINEから。
https://lin.ee/11l3onT

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