ばあちゃんプロフィール
昭和10年5月15日生まれ、もうすぐ90歳のおばあは5人兄妹の末っ子。家族がかつて大きな事業をしており、お手伝いさん達に囲まれて育った為か非常にのほほんとしています。認知症もありますが、元々の性格もあってどこから認知症か最早分からないほど。好きな食べ物は餃子♩
百人一首もスラスラと!でも結局遊んだのは坊主めくり
大阪女子大学に通い国語の教員免許の資格も持ってるおばあは、百人一首を全部スラスラ言えてしまう。私の両親が昔自営業をしていた事もあり、小学校の夏休みが始まるとすぐ香川県のおばあの家に帰省していました。私の中学受験の勉強も学校の宿題も、全ておじいとおばあに教えて貰ってました。勿論、おばあが国語担当!その時百人一首を教えて貰いました。百人一首と言えばかるたゲームですよね。何回も鍛えてもらいましたがおばあに敵うはずもなく‥。それでも『1つ2つでも絶対言えるようにしとこっか』と教えてくれたのは、清少納言と紫式部の歌でした。今でもその二つだけはしっかりと覚えています!しかしたった2つではどうやってもおばあの一人勝ちは食い止められず。そこで私と姉が楽しめるようもう一つの遊び方『坊主めくり』を教えてもらい、結局そればかりして遊んでいました。おばあは飽きずに何度も付き合ってくれた。『もう、坊主ばっかり!!』こう言う姿が今でも頭に残っています♩のほほんとした性格とは裏腹な、その博識部分に子供の頃から尊敬しかありませんでした。おばあが学生時代の頃は大学に行って勉強するのも大変だったはず。しっかり勉強して教員免許も取ったおばあは凄く努力家!
受け継がれる手作りおせち料理
そんなおばあはお料理もとても上手!家でパン教室を開いてご近所さん達にクロワッサンを教える程の腕前。なんと言っても凄かったのは全部一から手作りのおせち料理!お重が4段重ねの超豪華版です。12月29日から可愛いフリルのエプロンをして元日に向けておせち作ってくれてたね。お煮しめから栗きんとん、ごまめ、全て作ってくれていました。特に印象的だったのはピカピカの黒豆です。黒豆って煮崩れせず味をつけるのとても難しいんですよね。時間も3〜4時間程かかる。微塵の崩れもなく綺麗に輝いていた黒豆は家族の大好物でした。今はおばあが料理する事は難しいですが、そのおせち料理は母へ、そして私へと受け継がれています。おばあはというと、、勿論今は食べる専門です!昔頑張ってくれた分今は食べる専門なんて当たり前ですよね♩
おばあ、ベールダウンという大役を担う!
2023年に沖縄で結婚式をあげた私。ベールダウンを誰にしてもらうか‥。それはもうおばあ一択しかありませんでした。働く忙しい母に代わって香川県から兵庫までいつもバスや新幹線で駆けつけてくれてた、第二の母おばあ。どうしてもベールダウンして欲しい。式場の方とサポート役の姉と入念に打ち合わせを行い、当日念願のベールダウンをして貰う事が出来ました。がしかし!無事に出来たは良いものの、なかなかベールから手を離してくれない。姉と『おばあ、ベール離して!ベールベール!!ほらまいこが前に進めないよ!!』と小声で囁いたのが今でもほっこり良い思い出です。私のドレス姿を見ておばあは号泣してくれました。それも大声をあげて。おじいが亡くなった時でさえ見た事ないおばあの号泣姿。私達家族は毎年沖縄旅行をしていました。特別な思い出の場所で孫のドレス姿。色々忘れてしまう事が多い日々の中、様々な想いが蘇って来たんだと思います。たくさんの愛情を持って育ててくれたんだね。ありがとう、おばあ!!
ベッドで過ごすおばあ。でも日々のルーティーンは変わらず、、!?
おばあは今ベッドの上で1日のほとんどを過ごしています。そして認知症。でも人って本当に不思議なものですね。昔からのルーティンは全然変わらない。おばあのルーティーンは朝必ずみんな1人ずつに『おはよう』から始まり、朝ドラを観る→10時頃のラジオ体操→お昼は3分クッキング鑑賞→昼から新聞・今日の料理の本チェック、夜ご飯は山盛りたべる。そうなんです!ちゃんと毎日この時間で日々を過ごしている!どんなに月日が経っても習慣というものは身に付いていてその人の一部なんですね。特に今日の料理の本を見る時、ちゃんとメガネをかけます♩そしてメガネが見当たらないと『まいこ〜メガネが無いんだけど』と呼んでくれる。そして大抵きょうの料理の下に埋もれてる灯台下暗し。そんな可愛いお料理が好きなおばあは変わリません。
そんな日々を過ごすおばあを見てきて『出来ない事が増えてきても、今出来る事を尊重する。出来ない事をサポートする』という事がどれだけ人生を豊かにするかという事を学びました。そして私が行き着いたお仕事が『介護美容』というお仕事。介護美容は美容を提供するものではありません。美容を通して『その人らしさを引き出す・意欲の向上・自立支援』を目指し健康寿命を伸ばそうというものです。私は10年以上おばあにお化粧をしてきました。おばあはお化粧が大好きで、お洒落をして出かけるととても喜んでくれるのは勿論、おばあらしく笑顔になり『まいちゃん、お化粧まだなんだけど〜♪』と積極的に私に声を掛けてくれます。美容というツールは高齢者においても絶大な効果があるのだと昔から感じていました。このお仕事を通して1人でも多くの高齢者に『その方らしい豊かな人生のサポート』をしたい。そう願いながらの私のおばあ紹介でした!
感想・コメント
1
のほほんおばあちゃんかわいらしい!
普段からのほほんとしてるおばあちゃん、でも昔からの習慣は変わらずでってのが穏やかに過ごせてるのが分かってとても素敵です✨すごく和みました。
お料理の本もずっと読んでるのも、歳を重ねても好きなものは忘れず楽しめるんですね!そんなおばあちゃんに育ててもらって、だからこそ選んだ介護美容のお仕事もすごく素敵です!
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