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孤独の先に見つけた“つながり”生きる力を灯す場所80歳

ばあちゃんプロフィール
岡本 絹子(おかもと きぬこ)1944年11月11日生まれ(昭和19年)。福岡県糟屋郡出身。80歳(2025年取材時)。福岡の下町で生まれ育ち、若い頃は博多や天神で働いていました。夜な夜なダンスホールに通い、音楽と笑いに包まれた青春を過ごしたそうです。結婚後は家庭に入り、3人の息子を育てました。

記憶の奥に残る、博多の灯りとダンスホール

「天神とか博多で働いていたけど、何をしてたかはあんまり覚えてないのよ。」そう話す絹子さんは、少し首を傾げて笑いました。若い頃の仕事の記憶は薄れているそうですが、それでも鮮明に覚えていることが一つあります。それは「夜の遊び」でした。「夜はね、ずっと遊んでたの。ダンスホールで踊ってたよ。」一人で足を運び、そこにいる男性と踊り明かしていたそうです。妹さんはおとなしく家にいたけれど、自分はいつも外。「最初は両親に怒られてたけど、治らない者だから、もう怒られなくなったの」と笑いました。 照明がきらめくフロア、流れる音楽、踊る足音。時間の記憶は失われても、“楽しかった”という感情だけは確かに残っています。

椅子 座る ばあちゃん

優しい夫と、3人の息子たち

やがて絹子さんは結婚し、家庭に入りました。「そういう時代だったからね」と穏やかに語ります。 夫は優しく、いつも笑顔の人だったそうです。3人の男の子に恵まれ、家の中はいつもにぎやかでした。「男の子だったから子育ては楽だったよ」と、微笑みます。 やがて夫に先立たれ、「すごく寂しいよ。優しい人だったから」と言葉を落としました。その一言には、長い年月を共に歩んできた重みがにじんでいます。 家庭を守り、子どもを育て、愛する人を見送る。そのすべてが遠い昔のことのようでもあり、胸の奥には、温かさと喪失感が感じられました。記憶が薄れても、心は覚えていることがあります。夫の優しさ、子どもたちの笑い声、家族と過ごした穏やかな時間。そうした断片が、今の絹子さんを支える力になっているのだと思います。

ばあちゃん 横顔

孤独と”ばあちゃん喫茶

現在、絹子さんは「ばあちゃん喫茶」で働いています。「みんなと話せて楽しいよ」と笑いながらも、「でもやっぱり、家にひとりでいると寂しいのよ」と小さくつぶやきました。
喫茶での仕事は、単なる作業ではありません。人と話し、笑い合うことで、記憶の空白をやさしく埋めてくれる時間になっています。それでも、「夜がね、やっぱり寂しいのよ」と呟きます。表情は明るく、大きな声で笑い、お話を楽しむ絹子さん。その笑顔の裏には、心配をさせまいとする優しさと、孤独な葛藤を感じました。

手を振る ばあちゃんたち

あとがき

こんにちは。静岡から来ました、現在「うきはの宝」で10日間の住み込みインターンをしているもーりーです。今回は「ばあちゃん喫茶・梅林店」で出会った岡本絹子さんにお話を伺いました。絹子さんの姿を通して感じたのは、これからの社会が抱える大きな課題です。今の高齢者世代は夫婦で支え合いながら生きてきた方が多く、特に女性は家庭に入るのが当たり前の時代を過ごしてきました。家族のために生きてきた分、パートナーに先立たれると「これからどう生きればいいのか」と迷う方も少なくありません。長年の生活リズムが崩れ、孤独を感じる人も多いと思います。しかし、人と関わり、誰かに必要とされる時間があれば、生きる力は再び灯るのではないでしょうか。今回訪れた「ばあちゃん喫茶」は、まさにそんな居場所の一つでした。お客さんとの何気ない会話や笑顔が、日々の支えになっているように感じました。これからの社会には、高齢者が生きがいを見つけ、孤独を埋め合えるような地域の仕組みやコミュニティが必要です。人と人がつながる小さな場が、心の支えとなり、生きる力を育むのだと改めて実感しました。

ばあちゃん喫茶

岡本絹子さんが働く「ばあちゃん喫茶」は、地域のばあちゃんたちが店員として働く喫茶店です。空き家や使われなくなった施設を活用し、認知症や介護を受けていても“役割があれば輝ける”を合言葉に、誰もが笑顔で過ごせる居場所をつくっています。福岡・熊本を中心に展開しており、曜日ごとに営業。家庭的なランチや温かい会話が楽しめる、まちの交流拠点です。
ばあちゃんたちの元気に会いに、ぜひ一度足を運んでみてください。ご予約は公式LINEからどうぞ。
👉 https://lin.ee/11l3onT

ばあちゃん喫茶
もーりー

静岡生まれ、静岡育ち。 大学3年次、1年の休学をして全国36都府県を巡る。山形県西川町では3ヶ月の地域おこし協力隊インターンを経験。 復学後、ご縁があり株式会社HONEにてインターン/マーケター見習いとして奮闘中。

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