今月ご紹介するばあちゃんは、あさみさん。あさみさんは、兵庫県神戸市の長田にある、「ごちゃまぜ」をテーマにしているサービス付き高齢者住宅「はっぴーの家 ろっけん」で過ごされています。僕自身は、はっぴーの家ろっけんへは何回も訪問させていただいたことはありますが、あさみさんとお話させていただいたのは、本誌「ばあちゃん新聞」の取材をさせていただいた時が初めてでした。
あさみさんは目線が会うたび、よくニコッと微笑んでくさったため、打ち解けるのが、とにかく早かったのを覚えています。はっぴーの家の良いところを伺っている時、あさみさんは「とにかく自由なんよ、縛られることがないやん、せやから楽しいし後悔なく死ねるねん」と話してくださりました。


「自分の在り方」を押し殺してきたことで、生きることに対しネガティブに
あさみさんは今まで旦那様や親戚・ご近所さんとのお付き合いを何より大切にされていたそうです。そのため、自分の想いややりたいことを我慢する場面が非常に多かったと語られました。「自分の在り方」を押し殺してきたことで、自尊心が下がってしまい、生きることに対しネガティブになっていたそうです。
しかし、はっぴーの家ろっけんに来られてからは全くの真逆。自分たちと本気で向き合い、まず自身の本音・想いを最優先に考え受け入れ、どうすれば実現するのかを全員が一生懸命に考え、一緒に実行してくれることが、何より幸せで、「自分は生きてて良い、ここに存在してもいい」と思えるようになったと話されます。続けて、そのことで、ネガティブな感情がなくなり笑顔も増えたため、初対面の人と会っても、とにかく笑顔で笑うようになった、と話されました。

自分を自分にしてくれるのは、自由に過ごせる居場所と信頼できる人。
特にシニア層は、「我慢が美徳」という価値観で過ごされてきた方々が多いです。そんな中、自分を自分にしてくれるのは、やはり自由に過ごせる居場所があり、信頼できる人が日常に存在していることだそう。
僕は、将来「ビュッフェがあるホスピス」を創りたい。最期まで、好きなものを好きなだけ好きな時に食べれる場所がほしいし、その小さいことが自尊心を上げ、ポジティブな生き方・過ごし方に繋がると信じています。
